インビザライン矯正中にむし歯になるとどうなる!?対処法と予防法

インビザライン矯正は、透明なマウスピースを定期的に交換しながら歯並びを整えていくことができる治療法ですが、治療期間が一般的に数か月から2年半くらいかかる治療法ですので、たしかにその間にむし歯ができてしまう可能性もあります。
今回は、
- インビザライン矯正中にむし歯が見つかったらどう対処するのか
- インビザライン矯正中にむし歯になりやすくなる原因
- インビザライン矯正中にむし歯を予防する方法
ということについて、わかりやすく解説していきます。
インビザライン矯正をこれからやりたいと考えている方、実際にインビザライン矯正を受けている方はぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
1.インビザライン矯正中にむし歯が見つかったらどう対処するの?
インビザライン矯正のマウスピースは、矯正治療前に歯型の採取をし、それをもとに治療に必要なマウスピースをすべて一度に作成します。
マウスピースは歯の形にぴったりはまるように作られていますので、治療によって歯の形が変わってしまうと使えなくなってしまいます。
そのため、インビザライン矯正中にむし歯ができてしまった場合、むし歯の状態に応じてつぎのような対処を行うことになります。
1-1小さいむし歯の場合にはそのまま並行して行う
むし歯で歯を削る範囲が狭い場合、歯の形を変えずに詰めて治療を終わらせることが可能です。
このような場合にはインビザライン矯正に特に影響を与えることはないので、インビザライン矯正を中断せず、そのまま続行していくことが可能です。
1-2応急処置をし、インビザライン矯正後に最終治療をする
たとえば、むし歯の範囲が大きい、もしくは詰め物の下にむし歯が見つかった、というようなケースでは、本格的にむし歯の治療をして詰め物を入れ替えるとなると、最終的な歯の形自体が変わってしまう恐れがあり、マウスピースが合わなくなる可能性があります。
このような場合には、むし歯が進行しないようにその部分だけを取り除き、歯の形が変わらないように仮の材料を詰めておいてインビザライン矯正をひとまず終わらせ、矯正治療が終わったら、仮詰めしていた部分を最終的な材料で治療するようにします。
ただし、仮の詰め物は長期間の使用には耐えられないため、このような措置は、主にインビザライン矯正が終盤に差し掛かっている場合に行われることが多いです。
1-3矯正を中断し、むし歯治療をした後、マウスピースを作り直す
むし歯の状態が比較的大きめの場合や、被せ物が外れてその内部にむし歯ができている場合、歯根の治療が必要になる場合、痛みが出ている場合などにおいては、歯の治療を早めに行わなければ抜歯になってしまう、もしくは症状がひどくなってしまう恐れがあります。
そのため、このような場合にはインビザライン矯正は一旦中止してむし歯の治療の方を優先して行っていきます。
インビザライン矯正は中断をすると歯並びが後戻りをして再度乱れてしまいますが、歯を失ったり、症状が悪化したりすることは避けなければなりません。
この際、発注して作ったマウスピースは引き続き使用することは難しくなりますので、再度型取りを行って新しいものを作り直す必要があります。
2.インビザライン矯正中、むし歯になりやすくなる原因
インビザライン矯正は、歯磨きの時には外すことができ、以前のように歯磨きをすることが可能なので、ワイヤー矯正に比べればむし歯リスクは低めです。
ですが、次のような理由でむし歯になることがあります。
2-1歯磨きがすみずみまでできていない
歯の磨き残しがある状態でマウスピースを装着すると、磨き残しの中に含まれる糖分がむし歯菌の餌になり、そのまま長時間マウスピースの中でむし歯菌が活動しやすい状態になってしまいますので、むし歯のリスクが高まります。
2-2マウスピースの洗浄がきちんとなされていない
インビザライン矯正に使用するマウスピースは、外すたびにきれいに清掃する必要があります。この時に洗浄をしっかりと行わないと、細菌が繁殖してしまい、再度装着したときにむし歯を作ってしまう恐れがあります。
2-3マウスピースをつけたまま砂糖入りの飲み物を飲む
インビザラインのようなマウスピース矯正をしている時は、基本的に水以外のものを飲む際にはマウスピースを外して飲む必要があります。
また、砂糖の入った飲み物を飲む場合には、歯に糖分がついたままになるといけないので、マウスピースを再度装着する前に一度歯磨きをしてから装着する必要があります。
もしジュースや砂糖の入った紅茶などを、マウスピースをつけた状態で飲んでしまったり、マウスピースを外して飲んだとしてもその後に歯磨きをせずに装着したりした場合、むし歯ができるリスクがあります。
2-4自浄作用が働きにくい
インビザラインのマウスピースは歯に密着するように作られています。
そのため、マウスピースをはめている間は、歯の周囲に唾液が流れにくくなります。
唾液には歯をきれいに洗い流す自浄作用や、むし歯菌を殺菌する作用、歯をむし歯から守る石灰化作用などの働きを持っていますが、マウスピースに覆われて唾液が十分に流れない状況になってしまうと、そのような唾液の効能が得られにくくなってしまうため、むし歯ができるリスクが高まります。
3.インビザライン矯正中、むし歯を予防する方法
インビザラインはむし歯のリスクを高めにくい矯正方法であるとはいえ、やはり油断をするとむし歯になる危険性があります。そのため、次のようなことに注意を払い、確実にむし歯を予防していきましょう
3-1歯磨きは通常よりも丁寧に、こまめに行う
インビザラインの場合は矯正中でもそれ以前と比べて歯磨きがしにくくなるということはなく、基本的に歯磨きの仕方に関しては同じです。
ですが、歯磨きの後にはすぐにマウスピースを装着する必要があり、歯の周囲の唾液の流れが止まってしまうので、以前に比べてむし歯のリスクは高くなります。
そのため、矯正をする前よりもより念入りに時間をかけて歯磨きをするようにしましょう。また、歯と歯の間もむし歯のリスクが高い部分なので、デンタルフロスもできるだけ使用するようにしましょう。
3-2マウスピースの清潔を保つ
マウスピースのお手入れは水でサッと流すだけでなく、しっかりと歯ブラシですみずみまで磨くようにしましょう。また、殺菌作用のあるマウスピース用の洗浄剤を利用するのも効果的です。
3-3面倒でも飲み物を飲む際にはマウスピースを外す
飲み物をよく飲む人は、いちいち飲むたびにマウスピースを外すのを面倒に感じてしまうかもしれません。
ですが、基本水以外の飲み物を飲む際にはたとえノンシュガーと書かれた飲み物であっても、酸性の強い飲み物などの場合には長時間歯がさらされると歯を溶かしてしまう恐れがあるため、マウスピースを付けたまま飲むのは控えてください。
また、基本的に飲み物を飲んだ後は最低でも口をゆすぐ、できれば歯磨きをして歯に悪影響を与えないようにしておきましょう。
3-4歯科で定期的にクリーニングを受ける
普段の歯磨きがどんなに上手にできていたとしても、磨き残しは必ず出てしまい、そのような磨き残しがいずれむし歯の原因になることも少なくありません。
歯科医院で定期的にプロのクリーニングを受けことによって、このような磨き残しをきれいに落とし、むし歯を予防することが可能です。
4.まとめ
インビザラインは歯磨きのたびに装置を外すことができ、むし歯のリスクを高めにくいというのは事実ではありますが、油断をして矯正治療前と同じケア方法をしているとむし歯ができてしまう可能性があります。
矯正治療の途中でむし歯になってしまうと、最悪治療を中断することになり、インビザラインのマウスピースを作り直す事態にもなって、時間もお金も無駄になる恐れがあります。
そのようなことにならないようにするためにも、インビザライン矯正の注意事項はしっかりと守り、歯のお手入れは治療前よりも意識して丁寧に行っていくようにしましょう。
この記事の監修者

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