インビザラインを1日つけ忘れた場合、どうしたらいいの?その影響と対処法

インビザラインを1日つけ忘れた場合、どうしたらいいの?その影響と対処法
インビザラインは透明なマウスピースで歯並びを美しく整えることができるマウスピース矯正システムです。これまで主流だったワイヤー矯正とは違い、目立たず違和感を抑えて矯正できるというのが魅力ですが、それ以外にも、取り外し可能なことから食事や歯磨きの際に不便を感じないというのも大きなメリットの一つです。

ところが、取り外しができるということは、「つけ忘れてしまうリスクがある」、ということでもあります。インビザラインはマウスピースをつけることで歯が動いていくシステムなので、つけ忘れてしまうと歯が動かないということになってしまいます。

そこで今回は、

・インビザラインを1日つけ忘れたらどうなるのか?
・どういう時につけ忘れやすくなるのか?
・つけ忘れを防ぐ方法
・1日インビザラインをつけ忘れた時の対処法

といったことについてご紹介していきます。

 

1.インビザラインを1日つけ忘れたらどうなる?

 

1-1インビザラインの1日の装着時間

まず、インビザラインのマウスピースは、1日に20~22時間の装着が必要になります。これはつまり、食事と歯磨きの時以外にはずっとつけておく必要がある、ということになります。

これよりも装着時間が少ない場合、治療計画通りに治療が進まない、ということになりかねません。

 

1-2インビザラインを1日つけ忘れた場合の影響

インビザラインのマウスピースは1~2週間ごとに新しいものに交換します。この交換頻度は年齢、歯並びの状態、装着時間などによっても異なってくるため、人によって適度な交換タイミングというのは違ってきます。

マウスピース1枚で動く歯の距離は0.25ミリ程度ですので、1日マウスピースの装着を忘れたとしてもそれほど大きな影響はなく、次の日にマウスピースがはまらなくなるとか、歯が後戻りするといったことは起こらないでしょう。

ただし、数日続けてつけ忘れたり、装着時間が短い日が続いたりするとその影響は大きくなり、マウスピースがしっかりとはまらなくなる、歯に異常な力がかかり痛みが出るなど、さまざまな問題が出てくる恐れがあるので注意が必要です。

 

2.どういう時につけ忘れやすくなる?

2.どういう時につけ忘れやすくなる?

2-1外食した時

友達とお茶をしたり外食をしたりなど、長時間話しながら食べたり飲んだりする場合、それだけでもつけていない時間が長くなりますし、その後歯磨きをしてマウスピースをつけるのが難しいという状況も起こりやすいでしょう。

 

2-2旅行やイベントの際

旅行やイベントでは、三食以外にも、いろいろなものを食べたり飲んだりといった間食がどうしても増えがちです。マウスピースをつける前には歯磨きをしなければなりませんので、歯ブラシを携帯するのを忘れた、歯磨きができる場所が見つからなかった、というような場合は特に、結果的にマウスピースをつけられないといったことにもなりかねません。

 

2-3マウスピースをはめると痛い時

マウスピースを交換したばかりのタイミングでは痛みを感じることがあり、人によってはそれを辛く感じて外したままになることがあるかもしれません。

また、歯茎に炎症があって腫れている場合など、マウスピースの縁が歯茎に当たって痛い場合にはつけておくことができず外したままになってしまうでしょう。

 

2-4お酒を飲んだ後

飲み会などでたくさんお酒を飲んだ後、歯磨きをせずに眠ってしまった、という経験のある人もいるのではないでしょうか。

インビザライン治療中にこのようなことがあると、当然、マウスピースもつけずに寝てしまうということになってしまいます。

 

2-5災害時

災害は突然起こります。
重大な災害が起こった場合、命を守る行動が最優先されますので、矯正治療のことは考えられなくなってしまうといった状況は起こり得るでしょう。

また、急に避難しなければならなくなった場合、今後交換するべきマウスピースを持って行けずにマウスピースがつけられなくなる、といったこともあるかもしれません。

 

3.インビザラインのつけ忘れを防ぐ方法

3.インビザラインのつけ忘れを防ぐ方法

3-1リマインダーや専用アプリを活用する

もし、マウスピースをうっかり付け忘れてしまう、というような方は、マウスピースをつけるべきタイミングを、スマートフォンのリマインダー機能に設定しアラームが鳴るようにしておくと忘れにくいです。

もしくは矯正治療用のアプリもいろいろと出ていますので、インストールし、装着時間の管理を行うといったことも効果的でしょう。

 

3-2外出時には歯ブラシを常に携帯する

外出時には予定をしていなくても、ちょっとお茶をするとか外食をするといったことになることがあります。そのような場合でも食後に歯磨きをしてマウスピースをつけられるよう、歯ブラシを常に携帯しておくようにしましょう。

 

3-3できるだけ外食や飲み会を控える

他人と外食する機会や飲み会の機会が多い人はどうしてもマウスピースの装着時間が短くなりがちです。

そのようなことが積もり積もるとやはり治療効果が出にくくなってしまいます。
そのため、どうしても避けられない場合などを除き、できるならば外食や飲み会は控えめにすることをおすすめします。

もしどうしても外食や飲み会が避けられない、という場合には、食事が済んだら一旦歯磨きをしてマウスピースを装着し、その後は水以外口に入れるのを控える、といった対応をすると、リスクを抑えられるでしょう。

 

3-4予備のマウスピースを携帯する

マウスピースを装着しない日が続くと、歯が動かないだけでなく、歯並びが後戻りを起こしてしまいます。
旅行の際には、万が一の紛失の時のためにも、今使っている一つ前の段階、次の段階のインビザラインも一緒に携帯しておくとよいでしょう。

旅行中でなくてもいつ起こるかわからない緊急時に備えて、普段から予備のマウスピースを携帯しておくのはおすすめです。

 

4.インビザラインを1日つけ忘れたときの対処法

 

インビザラインを1日つけ忘れてしまったという場合は、気づいた段階からきちんと装着時間を守れば特に問題は起こりません。
ですが、影響を最小限にするためには念のために次のような対処をしておくとよいでしょう。

 

4-1できるだけ長めに装着する

マウスピースをつけ忘れてしまったと気づいたらすぐに装着し、食事と歯磨きをできるだけ短時間で済ませてできるだけ長めの時間装着するとよいでしょう。

 

4-2装着期間を1日延長する

1日つけ忘れた場合、当然その分の効果が1日失われてしまっていることになるので、効果を取り戻すためにも装着期間を1日延長するようにしましょう。

 

5.まとめ

 

インビザライン治療を受ける場合、マウスピースの装着をご自分で管理しなければなりません。

取り外しのできるマウスピースは食事や歯磨きが不便にならないという大きなメリットがある一方、外したままの状況が続くと治療がうまくいかなくなる恐れがあるため、十分に気を付けなればなりません。

1日くらいのつけ忘れであればとくに問題になることはありませんが、その分装着時間を延ばす、1日装着期間を延ばす、といった対応は必要です。

ただし、装着時間が短い日が続く、数日つけ忘れてしまった、というような場合には治療効果に明らかに影響が出てきますので、そのまま治療を続けるのではなく、一度担当医に相談するようにしてください。

インビザラインは使用方法を守ればワイヤー矯正と同様きちんと効果が出る治療法です。そのためにはつけ忘れを忘れないよう、モチベーションを維持し、ご自身でいろいろと工夫をして進めていくことが大事です。

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この記事の監修者

医療法人幸美会 なかむら歯科クリニック 理事長・院長 歯科医師 中村 幸生

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