インビザラインのマウスピースの洗浄、正しいお手入れ方法とは?

インビザラインのマウスピースの洗浄、正しいお手入れ方法とは?
インビザラインはご自身で取り外し可能なマウスピースを使って歯並びを整えていく矯正治療法です。

この方法は、従来まで主流であったワイヤーを歯に固定する方法とは異なり、矯正装置であるマウスピースを外すことができるので、装置のせいで歯に汚れが蓄積しやすくなる、ということがありません。

そのため、「虫歯や歯周病のリスクを高めにくい」というメリットがあるのもインビザラインの大きな魅力の一つだと言えます。

しかし、実はマウスピースのお手入れをしっかりと行わないと、お口のトラブルや不具合を起こすことがあります。

そこで今回は、インビザラインのマウスピースの洗浄方法、正しいお手入れの仕方についてご紹介していきます。

 

1.マウスピースのお手入れが必要な理由

 

インビザラインのマウスピースは、一度使い始めたら1~2週間使い続け、その後次の段階のものに交換していきます。この間隔は患者様の年齢やマウスピースの装着時間などによっても左右されます。

いずれにしても、マウスピースは同じものを1~2週間使う必要があるため、清潔を保ち、快適に使い続けるためにもきちんとお手入れをすることが欠かせません。

 

1-1虫歯や歯周病を予防するため

インビザラインは確かに磨き残しが出にくく、ワイヤー矯正と比べて虫歯や歯周病になりにくい方法です。とはいえ、マウスピースを適切にお手入れしていないと、マウスピース表面に細菌が繁殖してしまい、それによって虫歯や歯周病にかかるリスクが出てきます。

 

1-2口臭予防のため

マウスピース周囲に細菌が多く繁殖してしまうと、それはニオイを発する原因にもなり、不快な口臭となって外部に出る可能性があります。

 

1-3見た目よく使い続けるため

インビザラインのマウスピースはほぼ透明で、装着していても目立たたず、見た目を悪くしないのが大きな利点です。しかし、お手入れを怠っていると色が変色したり、透明感が失われたりなどして、見た目が悪くなる原因になります。

 

1-4快適に使用するため

マウスピースの洗浄が不十分だと汚れや細菌が蓄積し、装着中に不快感を感じてしまう可能性があります。いつも気持ちよく装置をつけておくためにも、丁寧に洗浄を行うことが大事です。

 

2.マウスピースの洗浄方法

 

2.マウスピースの洗浄方法

 

基本的にインビザラインのマウスピースを外すタイミングは、食事の時と、歯磨きの時のみです。このタイミングで、外したマウスピースはその都度きれいに洗うようにしましょう。

通常、外した際には唾液しかついていないので、見た目に汚れておらず、何も付着していないように感じられるかもしれません。ですが、唾液中には細菌やミネラル成分が含まれているので、それを洗い流さないとマウスピースの黄ばみ、もしくはミネラル成分の沈着による白濁、そして不快なニオイの原因になります。

マウスピースの洗浄方法としては、大きく分けて水でサッと洗う方法、歯ブラシを使って洗う方法、洗浄剤を使って洗う方法があります。

これらの方法を時と状況に応じて使い分けるようにしてください。

 

3.マウスピース洗浄の基本的な手順 ステップ

 

インビザライン治療を受ける方には、マウスピースの取り扱い方や洗浄方法について歯科医院でくわしく説明がありますが、治療をまだ受けていない方や、再確認しておきたいという方のために基本的な手順をご紹介します。

 

3-1水でサッと洗う

インビザラインのマウスピースを外したら、まずはサッと水で唾液を洗い流しましょう。
外出中の場合などで歯ブラシが手元にない場合や、時間がない時にはこれだけでも、やらないよりは断然良いです。
この際、できれば指の腹をつかって溝を擦りながら洗うと、より効率よく細菌の塊を落とすことができます。

 

3-2歯ブラシを使って擦り洗いする

歯ブラシが使える場合には、歯ブラシを使って擦り洗いをしましょう。歯ブラシなら細かい部分にも届くので、指で洗うよりもよりすみずみまできれいに洗うことができます。

この際、マウスピースに傷がつかないよう、やわらかい歯ブラシを使用し、歯磨き粉はできるだけ使わないのがおすすめです。

市販されているほとんどの歯磨き粉には研磨剤が含まれており、プラスチックでできているマウスピースは研磨剤によって傷がつきやすいからです。

傷がついてしまうと、その部分から変色、もしくは透明さが失われるリスクがありますし、細菌も繁殖しやすくなってしまいます。

どうしても歯磨き粉を使いたい場合には研磨剤の含まれていないものならば可能ですが、どの製品を使ったらいいかわからない場合には歯科医院に聞いてみましょう。

なお、歯ブラシを使った洗浄は一日に少なくとも一回は行うようにしましょう。

 

3-3洗浄剤を使う

この方法は毎回行う必要はありませんが、汚れが気になる時や1週間ごとなどにおすすめの方法です。

この際、マウスピース矯正装置用、できればインビザライン専用の洗浄剤を使いましょう。洗浄剤を使用することで、洗浄成分により細かい部分の汚れを浮き上がらせてスッキリと落とすことができ、除菌作用により水洗いや歯ブラシだけでは落とすことができない汚れ成分、ニオイ成分も効果的に取り除きます

研磨剤も入っていないので、マウスピースに傷がつくといった心配もありません。
一般的なのは漬け込みタイプで、洗浄剤をぬるま湯に入れてマウスピースをその中に数分間入れておき、その後流水で洗い流すだけです。

 

4.マウスピース洗浄する際の注意点

 

4.マウスピース洗浄する際の注意点

 

間違った洗浄方法を行うと、マウスピースにダメージを与えてしまい、その後の治療に影響を及ぼすこともあります。

そのため、マウスピースを洗う際には次の点に注意するようにしましょう。

 

4-1熱いお湯で洗わない

マウスピースの素材は医療用プラスチックで、耐熱温度は60度くらいです。
それ以上の熱湯では変形する恐れがありますので、洗う時には水かぬるま湯で洗うようにしましょう。

もし仮にマウスピースが変形してしまった場合、作り直しとなってしまい、新たに料金がかかってしまう可能性があります。

 

4-2歯磨き粉は極力使わない

マウスピースの洗浄では、基本的に歯磨き粉は必要ありません。歯磨き粉を使うと、研磨剤がマウスピースに傷をつけてしまうので、細菌繁殖や透明感を失わせる原因になってしまいます。

もし水以外にも何か使いたい場合には、研磨剤を含まない歯磨き粉や中性洗剤であれば使用可能ですが、そのようなものを使用する場合には問題がないか歯科医師に確認しておくようにしましょう。

 

4-3 漂白剤やアルコールを使用しない

マウスピースを消毒するために自己判断で漂白剤やアルコールを使用することは控えましょう。このようなものを使用すると、材質にダメージを与え、変色などの原因となります。

 

5.マウスピース洗浄の最適な頻度

 

マウスピースは 外すたびに洗浄しましょう。その際には水洗いでOKですが、少なくとも一日に一回は歯ブラシを使ってすみずみまで洗うようにしましょう。洗浄剤による洗浄は毎日行う必要はなく、週に1回もしくは2回行えば十分です。

 

6.まとめ

 

インビザラインのマウスピースは、お手入れが不十分だと細菌繁殖による歯や歯茎への影響、口臭、そして着色により見た目が悪くなることもあります。

そのため、短期間しか使わないとはいえ、一つ一つのマウスピースを常に清潔に使うことが大事です。

インビザライン矯正を受けようと思っている方、もしくはすでに治療中の方はぜひ参考にしてみてください。

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この記事の監修者

医療法人幸美会 なかむら歯科クリニック 理事長・院長 歯科医師 中村 幸生

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理事長・院長 歯科医師 中村 幸生

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