口(くち)ゴボって矯正で治る?原因や治し方は!?

口(くち)ゴボって矯正で治る?原因や治し方は!?
「口元が前方に出っ張っている」
「唇が閉じにくく無理に閉じるとアゴに梅干し皺ができる」

そんな見た目が気になっている人もいるのではないでしょうか。

実はこのように、口元が出っ張っているお悩みを持つ日本人は少なくありません。
多くのお顔のコンプレックスは、メイクでもかなり解決できますが、口元のコンプレックスに関しては、メイクでは残念ながら解決できません。

口元の出っ張りでお悩みの方は、もしかしたら「口(くち)ゴボ」と呼ばれる状態かもしれません。口ゴボ状態が改善できればお顔の印象がガラリと変わり、自分に自信が持てるようになるでしょう。

今回は、口ゴボとは具体的にどのような歯並びのことを指すのか、また、口ゴボは治したほうがいいのか、口ゴボの原因や対策、口ゴボの治療法についてご紹介していきます。

 

1.口ゴボとは

1-1口ゴボとはどんな見た目?

実は口ゴボという表現は専門的な用語ではなく、ちまたで呼ばれている名前です。そのため、口ゴボがどんな状態なのか、専門的な定義というのはありません。ですが、一般的には、口ゴボとは、口元が前方に大きく張り出していて、ボコッと盛り上がっている状態を指すようです。

わかりやすく言うと、極端な例ではチンパンジーの口元のように張り出している状態を想像していただくといいでしょう。

 

1-2口ゴボの特徴

もし、

  • 歯が出っ張っていて唇が閉じづらい
  • 無理に唇を閉じるとアゴの先端に梅干し皺ができる
  • Eライン(横顔で鼻の先端とアゴの先端を結んだ線)よりも口元が前方に出ている

といった特徴があるならば、口ゴボである可能性が高いです。ちなみに、上の歯だけが前に出ているような出っ歯の状態は口ゴボと言わず、上下の口元が全体的に前方に出ている状態が口ゴボの状態とされているようです。

 

1-3口ゴボは治したほうがいい?

口ゴボはもし可能ならば、治しておくことをおすすめします。なぜならば、口ゴボには次に挙げるような多くのデメリットがあるからです。

 

◆見た目のコンプレックスによる影響

「口ゴボ」は見た目にもわかりやすいため、コンプレックスとなり精神的にも影響を及ぼしやすい歯並びであると言えます。自分に自信がなくなると消極的な性格になってしまうなど、人生の質にも影響を及ぼす可能性があります。

 

◆歯の寿命が短くなるリスクがある

唇が閉じにくく、開いたままであることが多くなるため、口の中が乾燥しやすくなります。口の中が乾燥していると、唾液の自浄作用や殺菌作用などがうまく働かなくなるため、細菌が繁殖しやすい状態になります。そうすると、虫歯や歯周病にもかかりやすくなり、長期的にこの状態が続くと結果的に早く歯を失うことにもなりかねません。

 

◆口臭・着色が起こりやすい

唇が閉めにくく、口の中が乾いて細菌が繁殖しやすい状態になると、口臭も強くなります。これは歯周病が起こりやすくなることでも悪化します。また、食べ物や飲み物も唾液で洗い流されにくくなるため、色素が歯に沈着しやすくなってしまいます。

 

2.口ゴボの原因とそれぞれの対策

2.口ゴボの原因とそれぞれの対策

口ゴボになる原因として、次のようなことが挙げられます。また、単一の原因ではなく、いくつかの原因が組み合わさって起こっている場合もあります。

 

2-1 癖によるもの

舌で歯を内側から押す、おしゃぶり、指しゃぶりといった歯や骨に力をかける行為を成長期に行っていると、だんだんと骨格や歯が前方に出ていきます。

 

2-2 口呼吸

成長期の段階で口呼吸を行っている場合、次第に骨格や歯並びが口呼吸に対応できるように変化、成長していき、口元が前方に張り出した見た目になっていきます。口呼吸は鼻炎や癖が原因のこともありますが、リンパ組織であるアデノイドが肥大することが原因となる場合もあります。

 

2-3 遺伝

骨格や歯の大きさなどは遺伝の影響を強く受けます。特に口元というのは親からの遺伝の影響が大きいところでもあり、特に骨格的なものは遺伝で受け継いでいることが多くあります。また、日本人は骨格的に元々欧米人と比較して鼻が低く、下顎も発達していないため、鼻の先端とあごの先端を結んだライン「Eライン」よりも口元が前に出やすく、出っ張って見えやすい傾向があります。

 

3.口ゴボの治し方

3.口ゴボの治し方

口ゴボでお悩みの場合、矯正治療で問題を解決することが可能です。矯正治療での解決法として、次のような方法があります。

 

3-1インビザライン(マウスピース矯正)

骨格的な問題がなく、歯の傾斜が原因になっている場合には、インビザラインをはじめとするマウスピース矯正での矯正治療が可能です。透明なマウスピースは目立たず、痛みも少なめで、食事の際には外せるので生活を不便にすることなく、快適に矯正治療を進めていくことができます。ただ、歯を動かす距離が大きい場合にはマウスピース矯正では動かしにくく、次に挙げるワイヤー矯正の方が適していることもあります。

 

3-2 ワイヤー矯正(表側・裏側)

こちらも骨格的な問題がなく、歯の傾きが問題となる場合に適用可能な治療法です。ワイヤー矯正には、装置を歯の表側につける「表側矯正」と、裏側につける「裏側矯正」があり、お好みや症例によっていずれかを選択する形になります。ちなみに、裏側矯正の場合には装置がほとんど見えないので、見た目を損ねることなく治療を進めていくことができます。

ワイヤー矯正は装置が固定されるので、邪魔に感じてしまうこともありますが、重度の歯並びの乱れにでも対応できるのが強みです。

 

3-3 外科矯正

歯並びだけでなく、骨格に問題があって口ゴボになっている場合には、歯並びだけ整えても問題は解決しません。このような場合には、骨を切除して位置を調整しつつ歯並び矯正も行う「外科矯正」の適応症となります。

外科矯正を行う場合、治療を受ける医療機関や使用する装置などの制限など、条件を満たせば健康保険の適用が可能となり、リーズナブルに治療を受けられるので、気になる場合には歯科医師に相談してみましょう。

 

4.口ゴボは自力で治せるの?

歯に力をかける癖で歯が前に出るのであれば、前に出ている口元は、逆方向に押せば引っ込むのではないか?と思う人もいるかもしれません。ですが、そのようなことを行うと、歯根や歯を支えている骨に対して大きなダメージとなってしまう可能性がありますし、逆に歯並びや噛み合わせを乱してしまう恐れがあるため決してやらないようにしてください。

矯正治療は歯に力をかけて歯並びを整えていく治療ですが、この時に歯にかかる力というのは、歯や周囲組織に悪影響を及ばさないような力になるようにコントロールされています。また、歯をきれいに並べるために、力をかける方向や順番なども計算された状態で行われています。そのため、自力で歯並びを変えようとすることはやめましょう。

 

5.まとめ

口ゴボは見た目だけでなく、歯の健康面や口臭などの面でもデメリットが大きい歯並びです。口ゴボは大きく分けて、歯の傾きだけの問題、顎の大きさが絡む問題がありますが、いずれの場合でも矯正治療により改善が可能です。

 

顎の問題が大きくなければ、目立たずに矯正できるインビザラインでの治療が可能になることもありますので、口ゴボでお悩みの方は、一度矯正歯科でご自分のケースに関してはどのような治療法が可能なのか、歯科医師に相談してみることをおすすめします。口ゴボが解消されればかなりお顔の印象も変わり、お口の健康状態もぐんと改善していくことでしょう。

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この記事の監修者

医療法人幸美会 なかむら歯科クリニック 理事長・院長 歯科医師 中村 幸生

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