虫歯になりやすい人の特徴と虫歯対策
世の中にはきちんと歯磨きをしているのに虫歯になってしまう人もいれば、逆に歯磨きをあまりしていないのに虫歯が一本もない人もいます。
このような事実を目の当たりにすると、「歯磨きに意味がないのでは?」と思ってしまいますよね。
実は虫歯ができる原因には歯ブラシの仕方だけでなく、多くのことが要因として関わっています。
今回は、
- 虫歯は歯磨きだけで防げるものなのか
- 虫歯になりやすい人にはどのような特徴があるのか
- 虫歯になりやすい人の虫歯対策
についてご紹介していきます。
虫歯ができやすくて困っているという方、今後虫歯を作りたくないという方はぜひ参考にしてみてくださいね。
1.虫歯は歯磨きだけで防げるの?
虫歯が歯磨きだけで防げるのであれば、「歯磨きをしているのに虫歯になってしまう」という人はあまりいないのではないと思われます。
これは歯磨き以外にも何か別の要因が関係していることを示していると言えるでしょう。
もちろん生まれつきの歯の強さも関係している部分もあるかもしれません。
ですが、虫歯は歯周病と同様、生活習慣病の一つとして数えられているように、日々の食生活や生活習慣が関係していることも多いと考えられています。
また、歯並びやかみ合わせ、持病、唾液の質や量といった要因も口内環境の良し悪しに関係してきます。
そしてそもそも、歯の磨き方がきちんとできているか?という問題もあります。
このように、虫歯ができるかどうかというのは単に歯磨きをしているかどうか、という問題だけで決まるのではなく、そのほかの要因が複合的に絡んでいることも多いものなのです。
それでは、具体的にどのような人が虫歯になりやすいのかというのを見ていきましょう。
2.虫歯になりやすい人の特徴
歯磨きをしているのに虫歯になりやすい、という人は、次のようなことが原因になっている可能性があります。
ご自分に当てはまるものがないか、チェックしてみてください。
2-1食生活に問題がある
糖が口の中に長時間とどまるような食生活をしていると虫歯ができやすくなります。たとえば次のような場合はリスクが高くなります。
■間食をしている
食事の時間以外に間食をする習慣のある人は、それだけ虫歯菌の餌となる糖質を口にする機会が増えるため、虫歯リスクが高くなります。
とくに飴やキャラメルなど、糖分が口の中に長くとどまるものは危険度が高くなります。
また、糖質は甘いものに限らず、せんべいやスナック菓子、パン、ご飯といったものも糖質を含むので、同様に虫歯のリスクを高めます。
■砂糖入りの飲み物をよく飲む
ジュースやスポーツドリンク、炭酸飲料、砂糖入りのコーヒーや紅茶などを飲むことが多い人も虫歯リスクは高くなります
特にスポーツをする人で水分補給にスポーツドリンクを頻繁に長時間摂取することが多い場合、非常に虫歯リスクは高くなると言われています。
■加工食品を多く摂るなど栄養バランスがとれていない
コンビニやファーストフードなどの食べ物はやわらかく加工されていて歯に停滞しやすく、虫歯のリスクを高めます。
また、そういった食品は栄養バランスに偏りがあるため、体のミネラルバランスが悪くなり、そのような食生活を続けることで骨や歯が弱くなる可能性があります。
■夜遅くに食べることが多い
夜遅く食べる食生活や寝る前に甘いものを食べるといった習慣も要注意です。
食事中や食後には、口の中が酸性に傾き、歯からミネラル分が溶け出していきますが、唾液に含まれるミネラルが歯に沈着することで虫歯になりにくくなるようになっています。
ですが、食べた後にすぐ寝てしまうと、睡眠中に唾液の分泌が減ることで唾液の効能が十分にいきわたらず、虫歯ができるリスクが高まります。
■夜、お酒を飲むことが多い
お酒が好きな人は夜にアルコール飲料を飲むことも多いでしょう。
とくにチューハイや梅酒など、甘いアルコール飲料を飲む場合にはそれだけでも虫歯のリスクがアップしますが、甘くないアルコールであっても、食べ物をつまみながら飲むことによって虫歯のリスクが高まります。
2-2歯磨きの仕方に問題がある
実は虫歯ができやすい場所というのはだいたい決まっています。それは奥歯の溝、歯と歯の間、歯と歯茎の境目の「三大不潔域」と呼ばれる歯垢が溜まりやすい部分です。
この三か所がしっかりと磨けていればかなり虫歯のリスクを下げることができるのですが、この部分を意識せずに漫然と磨いていると重要なポイントが磨けていないままとなり、そこから虫歯になる可能性が高くなります。
2-3歯並びが悪い
歯が重なっている部分が多い場合、それだけ歯ブラシがきちんと当たらない部分がでてきてしまい、そこから虫歯のリスクが高まります。
また、かみ合わせに問題があると、特定の歯に異常な力がかかり続けることで歯に亀裂が入り、そこから虫歯菌が侵入して虫歯になる確率が高くなります。
2-4ドライマウスになっている
本来口の中は唾液で常に潤っているものです。ですが、何らかの原因で口の中の唾液が不十分になる「ドライマウス」の状態になると、唾液の効能が十分に発揮されず虫歯のリスクが高まります。
口の中の唾液が減る原因としては
- 口呼吸
- ストレスや薬の副作用、糖尿病や膠原病など全身疾患の影響による唾液減少
などがあります。
2-5治療済みのところが多い
詰め物や被せ物などの人工物が入っている部分は、どうしても天然歯との境目から細菌が侵入しやすいため、その分虫歯のリスクは高くなります。
2-6遺伝・体質
エナメル質形成不全など、生まれつき歯の外側の層がきちんと形成されなかった場合や、遺伝的に受け継いだ唾液の質や歯の質が弱い、といったことも虫歯のなりやすさに関係してきます。
3.虫歯になりやすい人の虫歯対策
虫歯になりやすい傾向を持っている人でも、原因を知り、それに合わせた対策を行うことで虫歯リスクを減らすことは十分に可能です。
上で挙げた原因を踏まえ、ぜひ次のような対策をしてみましょう。
3-1糖分の摂取の仕方に気をつける
虫歯菌の餌となる糖分のとり方に気を付けましょう。
具体的には、
- 間食はできるだけ控える
- 糖分はだらだらと摂らず、なるべく短時間でとる
- 夜遅くに糖分を摂ることは極力控える
- スポーツをする際は糖分の入った飲料を摂り続けないようにする
といったことに注意を払いましょう。
3-2口の中の乾燥に気をつける
唾液で口の中を潤わせて自浄作用などの機能をしっかりと働かせれば、虫歯リスクをさげることができます。
そのためには、
- ストレスをため込まない
- 口呼吸をやめ、鼻呼吸にする
- よく噛み、よく喋り、唾液腺を刺激する
- 薬や病気の影響がある場合、病気の治療に専念しながら、せめて口の中が乾かないように水分摂取も心掛ける
といったことを行ってみましょう。
3-3正しい歯磨きの仕方を身に着ける
歯磨きの仕方がうまくできていない場合、歯磨きの効率は落ちてしまいますので、正しい磨き方がわからない場合には一度歯科医院でブラッシング指導を受けてみることをおすすめします。
3-4歯科医院で定期的なクリーニングを受ける
どんなに歯磨きが上手な人でも完璧に汚れを落とし切ることはできないので、虫歯予防のためには定期的なプロのクリーニングは必要です。
歯並びに問題がある人や治療済みの部分が多い人は特に汚れが蓄積しやすい状況にありますので、特に意識して行うことが大切です。
4.まとめ
歯磨きをしているのに虫歯になりやすいという方は、いくつかの原因が複雑に絡み合っている可能性があります。
ですが、心当たりのある原因を一つ一つ解決していくことで、虫歯にかかりやすい傾向を改善できる可能性がありますので、ぜひあきらめずに取り組んでみられることをおすすめします。
この記事の監修者
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