舌にできる口内炎の原因と治し方3つのポイント
また、舌にできる口内炎というのは、それが長引く場合、実は口内炎ではなく違う病気の可能性も。
今回は、舌にできる口内炎について、特徴や症状、原因、また早く楽になる治療法や対処法などについてご紹介します。
1.舌にできる口内炎の特徴や症状
1-1舌のどの部分にできる?
口内炎は口の中のどこにでもできますが、舌もできやすい場所の一つです。舌においても、舌の先端、側面、裏側、付け根など、どこにでもできます。
舌は鏡で見ることができますので、口内炎ができた場合、自分でもわかることが多いですが、付け根部分やその周辺の場所にできた場合には、なかなか確認が難しく、飲み込んだ際の痛みとして気づくことが多いようです。
1-2どんな見た目?
通常よく見られるのは、アフタ性口内炎と呼ばれるものです。これはおそらく誰もが経験したことのあるもので、中心が2ミリから10ミリ程度の白く丸い潰瘍で、その周囲が赤く縁取られて腫れている、というような見た目です。多くは単発で起こりますが、複数同時できることもあります。
1-3舌にできる口内炎の症状
舌にできる口内炎は小さなものでも強い痛みを感じ、特に歯や食物に触れたり、酸っぱいものや味の濃いものでしみたりします。また、刺激しなくても痛みを感じることも少なくありません。
1-4どのくらいで治る?
通常は、放っておいても1~2週間程度で自然治癒し、その後跡が残ったり後遺症を起こしたりするようなことはありません。
いつまで経ってもなかなか治らない、範囲が広すぎる、個数が多すぎる、再発を繰り返す、痛みを感じない、というような場合、口内炎ではなく舌がんやベーチェット病など、違う病気の可能性もあるので、おかしいと思った場合には早めに受診するようにしましょう。
2.舌に出来る口内炎の原因
口内炎のはっきりとした原因はわかっていませんが、次のようなことが口内炎を起こす可能性があります。また、一つのものが原因になるというよりは、次のものが複合的に重なって起こることが多いと言えます。
2-1免疫低下
睡眠不足や疲れ、ストレスなどにより免疫が低下すると、ちょっとした傷から口内炎ができやすくなります。
2-2栄養不足
栄養が偏った食生活によりビタミン(特にビタミンB群)やミネラル類(特に亜鉛)が不足すると、皮膚や粘膜にトラブルを起こしやすく、また、修復されにくくなります。
2-3消化不良
消化管がうまく働かずに消化不良を起こすと、せっかく摂った栄養素が吸収されず、体の不調を起こしやすくなります。
2-4刺激
歯並びから外れている歯がある、虫歯で欠けている歯がある、詰め物や被せ物、入れ歯が合わずに粘膜を傷つけている、矯正器具が当たっている、というような物理的刺激がある場合や、火傷などが口内炎のきっかけになることもあります。
2-5唾液不足
お口の粘膜は、唾液が表面を覆っていることで保護されています。唾液はさまざまな原因で減少します。たとえば、加齢、ストレス、薬の副作用、がんの化学療法や放射線治療といったものです。また、口呼吸により唾液が乾いてしまうこともあります。
2-6口腔不衛生
通常だと口の中が傷ついたとしても治るような場合であっても、口の中が不衛生で細菌が多い状態だと、ちょっとした傷が口内炎になりやすくなります。
2-7歯磨き粉の成分
歯磨き粉に含まれる泡立ち成分(界面活性剤)は、人によっては口内炎を作る原因になると言われています。
2-8全身疾患
ベーチェット病やウイルス感染症(単純ヘルペスウイルス、帯状疱疹)、自己免疫疾患(天疱瘡、類天疱瘡)、クローン病、エイズ、梅毒などの全身疾患の影響で現れることもあります。ですが、全身疾患で起こる場合には、口内炎だけでなく、体の他の場所にもさまざまな症状が現れます。
2-9タバコ
タバコを吸っていると、唾液の減少による口の粘膜の乾燥、タバコの成分による血流量低下などによって口内炎ができやすくなります。
3.舌に出来る口内炎、3通りの治し方
3-1舌の口内炎は何科で診てもらう?
口の中を専門とするのは、歯科、口腔外科、耳鼻科ですので、口内炎が気になる場合にはいずれかの診療科で診てもらうと良いでしょう。
通常の口内炎であれば、遅くとも2週間くらいで治ることが多いので、気にならなければ受診が必要というものではありませんが、いつまで経っても治らない時や大量にできている時、繰り返し同じところにできる、という場合には一度受診することをおすすめします。
3-2舌の口内炎が辛い時にできる対処法3つ
口内炎は自然に治るものではありますが、舌に口内炎ができて辛い場合に症状をいち早く軽くするには、次の3つの方法がおすすめです。
1 市販の治療薬を使ってみる
一番手っ取り早く、すぐにできるのは薬局で口内炎用の軟膏、もしくは口内炎用の貼り薬(パッチ)を買って塗ってみる方法です。また、根本的に早く治すために、ビタミンB群のサプリメントを摂るとより効果的です。
どの商品を買ったら良いのかわからない場合には、薬局の薬剤師に聞いてみると良いでしょう。
2 医療機関で薬を処方してもらう
歯科医院や耳鼻科で塗り薬、または貼り薬を処方してもらう方法だと、専門家に直接口内炎を診察してもらうことができますし、薬にも保険が効くのでおすすめです。
口内炎というのは尖った歯などの刺激源、もしくはお口の中の衛生環境といったものも原因になっていることも多いので、その点から考えると、最初から歯科を受診したほうが直接的な解決につながりやすいと考えられますし、二度手間にならず良いかもしれません。
3 歯科医院でレーザー治療を受ける
歯科医院によっては歯科用のレーザー機器を備えています。炭酸ガスレーザーのある歯科医院ならば、レーザー照射による口内炎の治療が受けられますので、事前に問い合わせてみると良いでしょう。
また、炭酸ガスレーザーを使った治療は保険が適用にならず、治療費も歯科医院によってまちまちですので、問い合わせの際に治療費について確認しておくこともおすすめします。
炭酸ガスレーザーでの口内炎の治療は、具体的にはレーザー照射により口内炎の表面の粘膜を凝固させることにより、終わった瞬間から表面の痛みがすぐになくなるというメリットがあります。照射時間はほんの数分で終わりますし、通常麻酔をしなくてもちょっとチクチクする程度で済みますので、とにかく早く痛みをなくしたい、という方にはおすすめです。
3-3舌の口内炎ができたときに自分でできること
口内炎ができてしまった場合に、ご自分でどのような対処をするか、というのも治りの速さに関係してきます。
できることとしては、
- 口の中を常に清潔に保つ
- しっかりと休養をとる
- 栄養バランスの取れた食事をする
- ビタミンやミネラルのサプリメントを摂る
- タバコを吸わない
といったようなことです。
口内炎ができた時は、とにかく無理をせずに養生する、ということが大事です。
また、場合によっては歯磨き粉の成分が原因のこともあるので、界面活性剤を含まない、自然派の歯磨き粉に変えてみる、といったことも試してみるといいかもしれません。
4.まとめ
口内炎は、免疫が低下している、もしくはお口の中に問題がある、というようなサインであることが多いので、口内炎ができた時はお口の状態、健康状態を見直す良い機会であると言えるでしょう。
口内炎のほとんどは、心配のいらないケースではありますが、中には口内炎に似ているだけで実は舌がんだった、というようなケースも稀にありますので注意が必要です。このように、もし、いつもと違う口内炎ができた場合には、口内炎以外の何らかの病気が隠れていることがありますので、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
この記事の監修者
こちらの記事もおすすめ!