アンカースクリューを用いた矯正治療について

広島県福山市の歯医者　なかむら歯科クリニック
歯科医師 院長の中村幸生です。

歯科矯正治療には様々な技術が用いられていますが、その中で「アンカースクリュー」を活用した方法が注目されています。このブログでは、アンカースクリューを用いた矯正治療について、その仕組みや治療期間、メリットとデメリットを詳しく解説します。矯正治療を考えている方や興味がある方々のために、参考になる情報を提供していきます。

 

目次

1. アンカースクリューとは
2. アンカースクリューを用いた矯正治療の仕組み
3. 治療期間とその目安
4. アンカースクリュー矯正のメリットとデメリット
5. 治療の流れと費用
6. まとめ

 

アンカースクリューとは

1. アンカースクリューは、矯正治療において歯を動かすための力の支えとして使われる特殊な器具です。通常は歯ぐきの骨に直接植え込まれ、固定されます。これにより、従来の矯正治療以上に精密かつ効率的な力のコントロールが可能になります。アンカースクリューは小型で、主にチタン製です。そのため、非常に軽量であるとともに人体に対しての適合性が高く、安全性が高いのも特徴です。このような特徴から、歯の動きが重要な位置調整を必要とする場合などに特に採用されることが多いです。

 

アンカースクリューを用いた矯正治療の仕組み

2. アンカースクリューを用いた治療は、スクリューを骨に植え込むことでその場に固定され、動かしたい歯や歯列をそのスクリューを起点にして移動させるという仕組みです。具体的には矯正用のワイヤーやエラストマーをスクリューと歯にかけ、必要な力を歯に伝達します。この方法により、従来の矯正装置では難しかった歯の大幅な移動や、歯を後方に動かすなどの高度な矯正が可能になります。スクリューは非常に小さいため装着時の違和感も少なく、口内での存在感もほとんどありません。

 

治療期間とその目安

3. アンカースクリューを用いることで治療期間が短縮される場合がありますが、具体的な期間は患者さんの個々の状況により大きく異なります。一般的には、1年から2年程度が目安となりますが、複雑な場合にはそれ以上の期間を要することもあります。治療中は定期的に歯科医を訪れ、スクリューやワイヤーの調整を行っていきます。矯正治療自体は通常数週間～数ヶ月ごとに調整を行い、動きが適切に進んでいることを確認しながら進行していきます。

 

アンカースクリュー矯正のメリットとデメリット

4. アンカースクリューを用いた矯正治療の最大のメリットとして、通常の矯正治療では難しい歯の動きを可能にする点があります。また、アンカーによってしっかりと固定されるため、他の歯に余計な負担をかけずに矯正が行える点も利点です。しかし、デメリットとしては、手術によってスクリューを植え込む手間や、稀にではありますが植え込み後の痛みや違和感を感じることがあります。さらにスクリューの脱落や感染症のリスクもゼロではないため、日々の口腔ケアが非常に重要となります。

 

治療の流れと費用

5. 治療は最初に診断と計画立案から始まります。スクリューを植える手術は通常、外来で局所麻酔を用いて行われ、手術時間は通常1時間以内です。術後の注意点としては、強い力をかける食品の摂取を控える、適切な口腔ケアを続けるなどがあります。費用については、通常の矯正よりも若干高くなる場合がありますが、その効果や短縮される治療期間を考慮に入れると、総合的な負担はそれほど大きくないかもしれません。具体的な費用は、医院や治療内容によっても異なるため、事前にしっかりと確認することが重要です。

 

まとめ

アンカースクリューを用いた矯正治療は、従来の矯正では難しかった高度な歯の移動を可能にする革新的な方法です。治療期間の短縮や他の歯への負担軽減といったメリットがありますが、手術に伴うリスクや費用についても考慮する必要があります。計画的に治療を進めるためには、担当医としっかり相談し、自分に最適な方法を選ぶことが重要です。興味を持たれた方はぜひ、専門の歯科医師に相談し、具体的なプランを立ててみてください。