インプラント治療と骨再生について

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広島県福山市の歯医者 なかむら歯科クリニック
歯科医師 院長の中村幸生です。
歯を失った際に、その機能や美観を取り戻すための治療法としてインプラントがあります。しかし、インプラントを支える骨が十分にない場合、骨再生治療が必要になります。この記事では、インプラント治療の概要から骨再生治療のプロセス、期間について詳しく解説します。具体的な治療方法や注意点についても触れていきますので、インプラント治療を検討している方にとって参考になる情報を提供します。

 

目次

1. インプラント治療の基本
2. 骨再生の必要性
3. 骨再生治療の具体的な方法
4. 治療期間とステップ
5. 骨再生治療のメリットとデメリット
6. まとめ

 

インプラント治療の基本

インプラント治療は、顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込み、その上に歯冠を固定することで失われた歯を補う治療法です。インプラントは自然の歯と同じように噛む力を伝えることができ、美しい歯並びを再現することが可能です。また、適切に管理すれば長期間にわたり使用できるため、非常に人気のある治療法となっています。しかし、インプラントを安定して支えるには十分な骨量が必要です。骨量が足りない場合は、インプラントが十分に固定されず、その後のトラブルの原因になります。

 

骨再生の必要性

歯を失ってから時間が経過すると、歯根がなくなった部分の骨が次第に減少することがあります。この骨減少は、歯周病や外傷、加齢などの影響で進行することが多いです。また、長期間にわたり放置されると、骨密度が低下し、インプラントを支える骨が不足することが判明します。このため、インプラント治療を成功させるためには、まず骨の再生が必要となる場合があります。骨再生治療によって顎骨を強化し、インプラントをしっかりと支える基盤を作ることが大切です。

 

骨再生治療の具体的な方法

骨再生治療にはいくつかの方法があります。代表的な方法として以下のものがあります。

 

GBR法(Guided Bone Regeneration)

GBR法は、骨不足の部分に人工膜を用いて新しい骨の形成を誘導する方法です。手術はインプラントを埋入する前に行い、骨が再生するまでの期間約6ヶ月から8ヶ月かかります。

 

骨移植

骨移植は、自身の骨や人工骨を不足している部分に移植する方法です。移植する骨は主に顎の裏側、または骨盤から採取されます。骨移植後は約6ヶ月から1年程度で骨が安定し、インプラント治療を開始することが可能です。

 

上顎洞挙上術(サイナスリフト)

上顎洞挙上術は、上顎の骨が薄い場合に行われる方法です。上顎洞粘膜を持ち上げて、その下に骨補填材を詰めることで骨高さを増やす手術です。こちらも治療後6から8ヶ月で骨が安定し、インプラントを埋入することが可能です。

 

治療期間とステップ

インプラント治療の全体の期間は、骨再生治療が必要ない場合であれば約3ヶ月から6ヶ月程度です。しかし、骨再生治療が必要な場合、その期間はさらに延びることになります。具体的には、骨再生治療には以下のステップがあります。

1. **初回診療と診断**: 骨量の不足が確認された場合、骨再生治療の計画を立てます。
2. **骨再生手術**: GBR法や骨移植、または上顎洞挙上術を行います。
3. **骨の再生期間**: 使用する技術によって異なりますが、骨が再生するまで6ヶ月から1年程度かかります。
4. **インプラントの埋入手術**: 骨が充分再生された段階でインプラントを埋入します。
5. **インプラントの定着期間**: インプラントが骨にしっかりと結合するまで約3ヶ月から6ヶ月待ちます。
6. **最終補綴の装着:** インプラントと骨が完全に結合した後に、人工歯冠を装着します。

 

骨再生治療のメリットとデメリット

骨再生治療のメリットとデメリットについても考えておくことが重要です。

 

メリット

1. **インプラント治療の成功率が高くなる**: 骨が十分であることで、インプラントの安定性が増し、長期間の使用が可能となります。
2. **咬合力の向上**: 骨が強化されることで、自然の歯と同じレベルの咬合力が得られます。
3. **見た目の向上**: 歯並びが自然になり、見た目にも美しい仕上がりが期待できます。

 

デメリット

1. **治療期間が長くなる**: 骨再生に時間がかかるため、インプラント治療全体の期間が延びることがあります。
2. **追加の費用がかかる**: 骨再生治療には追加の費用がかかることが多く、治療全体のコストが上がる場合があります。
3. **手術による負担**: 骨再生手術は身体的な負担がかかることがあり、特に高齢者や全身の健康状態が良くない方にはリスクが伴うことがあります。

 

まとめ

インプラント治療は、失った歯を補うための有効な方法ですが、骨量が不足している場合は骨再生治療が必要です。骨再生治療にはGBR法、骨移植、上顎洞挙上術などがあり、その治療によりインプラントを支える基盤を強固にすることができます。しかし、その分治療期間も長くなり、費用も増える可能性があるため、それぞれのメリットとデメリットを理解し、医師と十分に相談した上で治療を進めることが重要です。

インプラントや骨再生治療についてご不明点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。専門の医師が詳細に説明し、最適な治療計画を提案いたします。

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